ガードバンド【guard band】

電波を使った通信では、送受信する電波は割り当てられた周波数にぴったり収まらず、隣の周波数帯へわずかにはみ出す性質がある。このはみ出しが隣のチャンネルの信号に混入すると、音声や映像の乱れ、データの受信エラーが生じる。チャンネルとチャンネルの間に、あえて使用しないガードバンド周波数帯を挟むことで、はみ出した成分が届く前に減衰し、干渉を防ぐことができる。
例えば、かつて利用されていたアナログテレビ放送では、各チャンネルが6MHzの帯域を使っていたが、チャンネル間には使用されない周波数帯が5MHz幅ずつ設けられていた。デジタル放送や携帯電話、無線LANなどの通信規格でも同様の仕組みが採用されており、安定した通信を確保するために一定の余白が確保されている。
磁気テープやハードディスクなど記録媒体の分野では、磁気ヘッドが媒体上で隣のトラックに誤ってアクセスしないよう、トラック間に記録しない領域を設ける。この余白をガードバンドという。記録密度を高めてトラック幅を狭くするほどガードバンドも狭くなり、ヘッドの位置精度への要求も厳しくなる。
いずれの分野でも、ガードバンドを広くとるほど隣接領域間の干渉は起きにくくなるが、その分だけ利用可能な周波数や記録面積は減少する。狭くすれば効率は上がるが干渉リスクは増加するというトレードオフの関係にある。一方、同じ周波数帯で時間軸に沿って通信主体や方向の切り替える場合、混信や干渉を防ぐために短い無通信時間を設ける場合がある。こちらは「ガードインターバル」(guard interval)と呼ばれる。