カットオフ周波数【cutoff frequency】

概要

カットオフ周波数とは、フィルタ回路や信号処理において、通過させる信号と遮断する信号の境界となる周波数のこと。この周波数を境に、信号の通過・遮断の特性が切り替わる。
カットオフ周波数のイメージ画像

音や電気信号はさまざまな周波数成分の集まりとして捉えることができる。フィルタ回路はそのうち特定の周波数帯域だけを通過させ、それ以外を減衰させる。低い周波数だけを通す「ローパスフィルタ」、高い周波数だけを通す「ハイパスフィルタ」、特定の帯域だけを通す「バンドパスフィルタ」などの種類がある。カットオフ周波数はこれらのフィルタがどこで「通す」と「通さない」を切り替えるかを示す境界値である。

厳密には、カットオフ周波数は信号が完全に遮断される境界を意味するわけではない。一般的な定義では、信号のパワー(電力)が通過帯域の半分(−3デシベル)になる周波数をカットオフ周波数として扱う。この点を「−3dBポイント」とも呼ぶ。カットオフ周波数を超えた信号も完全にゼロになるわけではなく、徐々に減衰していく特性を持っており、フィルタの種類や設計によってその急峻さは異なる。

カットオフ周波数はアナログ回路、デジタル信号処理、音響機器、通信システムなど幅広い分野で重要な設計パラメータとなっている。例えば、音声信号のノイズ除去では、高周波ノイズを抑えるために適切なカットオフ周波数を設定することが重要となる。通信分野では不要な周波数帯のノイズを除去したり、特定のチャンネルの帯域を確保したりする目的で利用される。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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