カジュアルコピー 【casual copy】
著作物を権利者に無断で、あるいは許諾された範囲を超えて複製するのは著作権法違反にあたり、「違法コピー」「不正コピー」と呼ばれる。権利者から損害賠償請求を受けたり、悪質な場合は検挙されて罪に問われることもある。
違法コピーには、大量に複製して販売したり、インターネットで配布するといった悪質な行為のほかに、知人や友人への融通や、一台での利用に限定されたソフトの複数機器での使い回しなど、身近な範囲で軽い気持ちで行われる行為があり、前者と区別して後者をカジュアルコピーという。
著作権者にとっては配布や販売の方が損害が大きいが、ほとんどの場合は犯意が明確で、知らない他人へ提供する場を設けるため犯行が露見しやすい。同じ提供手法の取り締まりが進めば抑止効果が期待できる。
これに対し、カジュアルコピーは一件あたりの損害は軽微だが、少数の限られた知人間での提供に留まるため露見しにくく、当人は罪の意識が薄いか、そもそも不法行為であると認識していないことも多いとされる。摘発や調査が難しく正確な規模は不明だが、複製に容易な媒体ではトータルの損害が膨大な規模になりえる。
近年では、ソフトウェア産業やコンテンツ産業の業界団体がカジュアルコピーを行わないよう啓蒙活動を行ったり、技術に疎い一般の消費者には解除が難しい簡易なコピー防止機能を取り入れるといった対策が行われている。
(2024.8.31更新)