エコーキャンセラ 【echo canceller】
電話機などスピーカーとマイクが近接している装置では、スピーカーから出力された音声をすぐ近くにあるマイクが収集して相手方に伝送してしまうことがある。やまびこのように時間差を置いて自分の声が相手側から返ってきてしまい非常に聞きづらい状態となってしまう。
これを防ぐため、相手から音声を受信している間はマイクの感度を下げるエコーサプレッサ(echo suppressor)や、収録された音声信号やデータからエコーに由来するものを同定して除去する適応的エコーキャンセラ(AEC:Adaptive Echo Canceller)などが用いられる。エコーキャンセラは狭義には後者を指すことが多いが、広義には両方を含む総称とする場合もあり、また両者を組みわせたシステムも存在する。
エコーキャンセラは音声・音響だけでなく電気信号に用いられることもある。ADSLやISDNなどのデジタル通信では同じ信号線や周波数帯に上り(加入者宅→通信局)と下りの両方向の信号を同時に流す場合があり、エコーキャンセラ技術で受信信号から自らが発信した信号を除去して送信と受信を分離する。
(2018.10.4更新)