インスタンスタイプ【instance type】
概要

IaaS型のクラウドサービスでは仮想マシン(VM)やコンテナ実行環境を短時間で作成できるが、必要なリソース量は利用目的によって異なる。Webサーバのように比較的負荷の小さい用途もあれば、大量のデータ分析や機械学習のように高い処理能力を要する用途もある。このため、事業者側では複数の構成をあらかじめ定義し、用途に合わせて選択できるようにしている。この構成の種類のことをインスタンスタイプという。
多くの事業者ではインスタンスタイプについて、汎用型、コンピューティング最適化型、メモリ最適化型、ストレージ最適化型、GPU搭載型などのカテゴリを設けており、各カテゴリの中にさらに規模別のサイズが段階的に設定されている。例えば、データベースサーバにはメモリ搭載量の多い型が向き、機械学習の学習処理にはGPU搭載型が使われる。容量や性能が高いインスタンスタイプほど利用料金も高くなる。
代表的なサービスとしてAmazon Web Services (AWS)の「Amazon EC2」が挙げられ、「t3.medium」「m6i.xlarge」のような名称で数百種類が定義されている。Google Cloudでは「マシンタイプ」または「マシンシリーズ」、Microsoft Azureでは「VMサイズ」と呼ぶなど、サービスによって呼称は異なるが概念は共通している。
従来の社内システム(オンプレミス)環境では、サーバのスペックはハードウェアを調達した時点で固定され、変更には機器の増設や交換が必要であった。クラウドではインスタンスタイプを変更するだけでリソース構成を切り替えられるため、処理負荷が高まった場合は上位のタイプへ、需要が減少した際は下位のタイプへと柔軟に対応できる。同じオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションを利用する場合でも、選択したインスタンスタイプによって利用可能なリソースが変わるため、システムの性能や運用コストに大きく影響する。