読み方 : アフィンへんかん
アフィン変換【affine transformation】
概要
アフィン変換とは、図形や座標に対して、平行移動や拡大・縮小、回転、せん断(剪断)などを行う数学的な操作。変換後も直線は直線のまま保たれ、平行な線は平行のまま維持される性質がある。

この変換は線形変換に平行移動を加えたもので、2次元の平面上や3次元の空間上の座標に対して行列とベクトルを用いて表現される。具体的には、元の座標に行列を乗算してから平行移動のベクトルを加える。2次元の変換であれば2×2の行列と2次元ベクトルの組み合わせで算出される。
この行列やベクトルを構成する値を変えることで、拡大、縮小、回転、せん断といった異なる変換を統一的な計算式として扱える。実装上は2次元の変換に3×3の同次座標行列を用いることが多く、平行移動を含むすべての操作を行列の乗算一本で処理できるよう整理することが多い。3次元の場合は4×4行列を使う。
アフィン変換が保存するのは「直線性」と「平行性」である。角度や距離の比は保たれないため、パラメータ次第では歪んだりひしゃげたような形状の変化が起きる場合があるが、直線が曲線に変わったり、平行な2直線が交差したりすることはない。これは射影変換など他の幾何学的変換との違いの一つである。
画像処理の分野では、画像の回転や拡大・縮小、トリミング、補正などの処理にアフィン変換が用いられる。スキャンした文書の傾き補正や、カメラの歪みを除いた画像の正規化なども応用例である。コンピュータグラフィックスでは、3Dモデルの移動や回転、拡大・縮小(スケーリング)をアフィン変換で記述し、複数の変換を行列の積として結合することで処理を効率化している。機械学習の画像認識では、学習データを回転、反転、拡大・縮小で水増しするデータ拡張にも利用されている。