アウトオブバンド【OOB】Out-of-Band

概要

アウトオブバンドとは、通常のデータ通信や処理に使う主経路とは別の、独立した経路を用いて情報のやり取りや制御を行う方式のこと。通信やネットワーク管理、サーバ運用、情報セキュリティなど様々な分野で用いられる概念であり、対義語は「インバンド」(in band)である。
アウトオブバンドのイメージ画像

「バンド」(band)は通信における周波数帯域伝送帯域を意味し、アウトオブバンドは「帯域の外」を語源とする。もともとは通信工学で主搬送波の帯域外に制御信号を載せる方式を指していたが、転じてIT全般で「主経路の外を使う」概念を表す用語として定着した。例えば、通信プロトコルの設計で、データ転送用とは独立したチャネルで制御メッセージをやり取りする仕組みをアウトオブバンドと呼ぶことがある。

ネットワーク管理の分野では、機器の監視や設定変更といった管理用トラフィックを、業務用のデータ通信とは物理的または論理的に分離したネットワークで行う構成を指す。障害や設定ミスによって業務ネットワークが停止した場合でも、独立した管理経路から機器へアクセスして状態確認や復旧作業を続けられる。このような管理方式は「アウトオブバンド管理」(OOBMOut-of-Band Management)と呼ばれる。

サーバ運用の文脈では、マザーボード上の専用管理プロセッサを介してオペレーティングシステム(OS)の状態に依存せず遠隔操作を行う仕組みを指すことが多い。OSがフリーズしていても、あるいは電源が落ちていても、管理用の別経路から電源投入や再起動ファームウェア設定の変更といった操作が可能である。データセンタークラウド基盤の障害対応・保守作業で広く使われている。

情報セキュリティの分野では、認証の際に主経路とは異なる手段を併用する方式を「アウトオブバンド認証」(OOBA:Out-of-Band Authentication)という。例えば、Webサービスへのログイン時に、Webブラウザパスワードを送信するのとは別に、登録済みのスマートフォンSMSで確認コードを送る多要素認証がこれに該当する。攻撃者がブラウザ側の通信を制御していても、SMS経路を同時に掌握することは難しいため、不正アクセスへの耐性が高まる。

(2026.6.8更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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