読み方 : なりすましうけいれりつ
なりすまし受入率【SAR】Spoof Acceptance Rate
概要

指紋や顔、虹彩、静脈などの生体情報を用いる生体認証(バイオメトリクス認証)において、人工物などによる偽の生体情報を本物と誤認して認証を許可してしまう確率を表すものである。ここでいう “spoofing” とは、写真や動画、シリコーン製の指紋模型、録音音声などを用いて登録利用者本人になりすます攻撃手法を指す。なりすまし受入率はこのような攻撃に対してシステムがどの程度誤って受け入れるかを定量的に測定するための指標である。
従来の生体認証の評価では、他人を誤って受け入れる「FAR」(他人受入率)や、本人を誤って拒否する「FRR」(本人拒否率)といった指標が広く用いられてきた。FARは無関係な第三者を誤って受け入れる割合を示すが、必ずしも人工的に作られた偽造物への耐性を十分に評価できるとは限らない。近年では、本人の情報を反映した模造物をシステムに提示するプレゼンテーション攻撃に対する耐性を評価する観点から、なりすまし受入率が重視されるようになっている。
顔認証では写真提示や画面表示による攻撃、音声認証では録音再生による攻撃など、認証方式ごとに想定される攻撃手法が異なるため、なりすまし受入率の評価条件も方式ごとに定義される。なお、同じなりすましによる生体認証の誤検知でも、双子やよく似た別人、変装、声真似など、物体ではなく別人によるなりすましを誤って受け入れてしまう割合は「IAR」(Imposter Acceptance Rate)として区別する場合がある。