基本情報技術者試験 - 令和8年1月修了 - 問57

ビッグデータ分析の手法の一つであるデシジョンツリーを活用してマーケティング施策の判断に必要な事象を整理し,発生確率の精度を向上させた上で二つのマーケティング施策a,bの選択を行う。マーケティング施策を実行した場合の利益増加額(売上増加額-費用)の期待値が最大となる施策と,そのときの利益増加額の期待値の組合せはどれか。


施策利益増加額の期待値(億円)
a70
a160
b82
b162
答え
分野 : ストラテジ系 › 企業と法務 › 企業活動 › 業務分析・データ利活用
同一問題 : 〔令4修1問76
解説
デシジョンツリー」(decision tree決定木)を用いて,期待値の考え方からマーケティング施策を選択する問題です。図では,施策a(初期費用30億円)と施策b(初期費用40億円)のそれぞれについて,その後に発生し得る追加費用の有無や売上増加額の分岐が,発生確率とともに枝分かれして示されています。利益増加額は「売上増加額-初期費用-(発生した場合の)追加費用」で計算し,それぞれの枝の発生確率を掛け合わせて合計することで期待値を求めます。

施策aについては,発生確率0.4で追加費用60億円が発生する枝に進み,そこからさらに確率0.3で売上200億円,確率0.7で売上100億円に分かれ,発生確率0.6で追加費用なしのまま売上120億円になる枝があります。これを計算すると,0.4×(0.3×(200-60-30)+0.7×(100-60-30))+0.6×(120-30)=70億円という期待値になります。

施策bについては,発生確率0.3で追加費用40億円が発生する枝からさらに確率0.4で売上150億円,確率0.6で売上100億円に分かれ,発生確率0.7で追加費用なしのまま売上140億円になる枝があります。これを計算すると,0.3×(0.4×(150-40-40)+0.6×(100-40-40))+0.7×(140-40)=82億円という期待値になり,施策aの70億円を上回ります。

従って,期待値が最大となる施策と金額の組合せは「施策b,82億円」となります。誤りの選択肢のうち,「ア」と「イ」は施策aを選んでいる時点で期待値の比較結果と矛盾しており,「エ」の162億円は初期費用や追加費用の差し引きを忘れて売上増加額だけを単純に確率で加重平均した場合などに生じやすい誤答です。デシジョンツリーの問題は,樹形図の各枝を漏れなくたどり,費用の差し引きを忘れずに,それぞれの結果に確率を正しく掛け合わせて合計するという手順を丁寧に踏むことが正解への近道です。
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