基本情報技術者試験 - 令和5年12月修了 - 問60

発注者と受注者との間でソフトウェア開発における請負契約を締結した。ただし,発注者の事業所で作業を実施することになっている。この場合,指揮命令権と雇用契約に関して,適切なものはどれか。
ア指揮命令権は発注者にあり,さらに,発注者の事業所での作業を実施可能にするために,受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注者と結ぶ。
イ指揮命令権は発注者にあり,受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注者と結ぶことなく,発注者の事業所で作業を実施する。
ウ指揮命令権は発注者にないが,発注者の事業所での作業を実施可能にするために,受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注者と結ぶ。
エ指揮命令権は発注者になく,受注者に所属する作業者は,新たな雇用契約を発注者と結ぶことなく,発注者の事業所で作業を実施する。
答え : エ
分野 : ストラテジ系 › 企業と法務 › 法務 › 労働関連・取引関連法規
同一問題 : 〔令3修7問80〕〔令2修1問80〕
解説 :
発注者と受注者との間で「請負契約」を締結し,発注者の事業所で作業を行う場合における,指揮命令権と雇用契約の関係についての問題です。

「請負契約」とは,受注者が仕事の完成を約束し,その結果に対して発注者が報酬を支払うという契約形態です。請負契約の大きな特徴は,実際に作業を行う労働者に対する指揮命令権が,あくまで受注者側にあるという点です。たとえ発注者の事業所内で作業を行っていたとしても,発注者が直接,受注者に所属する作業者に指示を出すことは,労働者派遣法などの観点から問題となるおそれがあります。

また,請負契約であれば,受注者に所属する作業者は,発注者と新たな雇用契約を結ぶ必要はなく,あくまで受注者との雇用関係のもとで作業を行います。従って,指揮命令権は発注者になく,受注者に所属する作業者は発注者と新たな雇用契約を結ぶことなく作業を行うという「エ」が正解です。

「ア」と「イ」は,指揮命令権が発注者にあるとしていますが,これは請負契約の本来の趣旨に反しており,指揮命令権が発注者にある状態は,労働者派遣契約に近い実態(いわゆる偽装請負)とみなされるおそれがあります。

「ウ」は,指揮命令権は発注者にないとしつつ,新たな雇用契約を発注者と結ぶとしていますが,請負契約のもとでは,受注者に所属する作業者が発注者と新たに雇用契約を結ぶ必要はないため,この点も誤りです。
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