基本情報技術者試験 - 令和5年7月修了 - 問28

ファイルの提供者は,ファイルの作成者が作成したファイルAを受け取り,ファイルAと,ファイルAにSHA-256を適用して算出した値Bとを利用者に送信する。そのとき,利用者が情報セキュリティ上実現できることはどれか。ここで,利用者が受信した値Bはファイルの提供者から事前に電話で直接伝えられた値と同じであり,改ざんされていないことが確認できているものとする。
ア値BにSHA-256を適用して値Bからデジタル署名を算出し,そのデジタル署名を検証することによって,ファイルAの作成者を確認できる。
イ値BにSHA-256を適用して値Bからデジタル署名を算出し,そのデジタル署名を検証することによって,ファイルAの提供者がファイルAの作成者であるかどうかを確認できる。
ウファイルAにSHA-256を適用して値を算出し,その値と値Bを比較することによって,ファイルAの内容が改ざんされていないかどうかを検証できる。
エファイルAの内容が改ざんされていても,ファイルAにSHA-256を適用して値を算出し,その値と値Bの差分を確認することによって,ファイルAの内容のうち改ざんされている部分を修復できる。
答え : ウ
分野 : テクノロジ系 › 技術要素 › セキュリティ › 情報セキュリティ
同一問題 : 〔令1秋問40〕
解説 :
「SHA-256」というハッシュ関数を使って,ファイルAが改ざんされていないかどうかを検証する仕組みについての問題です。SHA-256は,任意のデータから,そのデータに固有の短い値(ハッシュ値)を計算する関数で,元のデータが少しでも変わると,計算されるハッシュ値も大きく変わるという性質を持っています。

利用者は,ファイルAと,ファイルAにSHA-256を適用して計算された値Bを受け取ります。この値Bは,電話で直接伝えられた値と同じであることが確認できているので,値B自体が改ざんされていないことは保証されています。

利用者は,受け取ったファイルAに対して自分でもSHA-256を適用して値を計算し,その計算結果と,事前に確認済みの値Bとを比較します。もし両者が一致すれば,受け取ったファイルAが,値Bを計算した時点のファイルAと同じ内容である,つまり途中で改ざんされていないということを検証できます。従って,正解は「ウ」です。

「ア」と「イ」は,値Bにさらにハッシュを適用してデジタル署名を算出し検証するとしていますが,そもそもデジタル署名の検証には公開鍵暗号方式による署名の仕組みが必要であり,単にハッシュ値を再計算するだけのこの状況とは異なります。

「エ」は,改ざんされている部分を修復できるとしていますが,ハッシュ値の比較によって分かるのは「改ざんされているかどうか」だけであり,改ざんされた具体的な箇所や内容を特定したり,元に戻したりすることはできません。
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