Ruby

概要

Rubyとは、まつもとゆきひろ(Matz)氏が開発を創始した著名なオブジェクト指向プログラミング言語。主な処理系(実行環境)としてソースコードをそのまま実行に移せるインタプリタを採用したスクリプト言語の一種である。

プログラムの書きやすさや読みやすさを重視し、シンプルで洗練された構文や記法を基本としている。既存の様々な言語の要素を取り込み、実用的な用途にも十分使用できる利便性を備えている。

スクリプト言語ながら、クラス定義やMixin、をすべてオブジェクトとして扱うなどの仕様を備えた本格的なオブジェクト指向言語となっており、プログラムの部品化(モジュール化)や再利用、大規模ソフトウェア開発などにも適用可能となっている。

他にも、正規表現などテキスト処理が充実しているほか、例外処理演算子オーバーロードクロージャイテレータガベージコレクションマルチスレッドなど豊富な機能や仕様を備えている。

初期には先行するスクリプト言語Perlパール)を意識して開発されていたこともあり、UNIX系OSでのシステム管理用スクリプトなどの開発に用いられることが多かったが、21世紀に入るとWebサーバ上で動作するWebアプリケーションの主要開発言語として脚光を浴びた。

特に、Rubyをベースに最小限のコード記述で迅速にデータベース連動Webアプリケーション開発できる「Ruby on Rails」(ルビーオンレイルズ)は実用的なフレームワークとして広く普及し、後続のWebアプリケーションフレームワークにも多大な影響を与えた。

開発は1995年に始まり、言語仕様は2011年にJIS X 3017としてJIS規格となったほか、2012年にISO/IEC 30170として国際標準化されている。MRI(Matz' Ruby Implementation)やYARV(Yet Another Ruby VM)といった公式の処理系オープンソースソフトウェアとして公開されている。Java実装されたJRuby、.NET Framework向けのIronRuby、macOS向けのMacRuby、組み込みシステム向けのmrubyなど多様な処理系が公開されている。

(2020.6.16更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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