Python

概要

Pythonとは、簡潔で読みやすい文法が特徴的な汎用高水準プログラミング言語の一つ。いわゆるスクリプト言語あるいは軽量言語(LLLightweight Language)の草分けの一つで、UNIX系OSを中心に広く普及している。

基本的な特徴としては、豊富なデータ型コンテナ型、ガベージコレクションUnicodeによる多言語対応、プログラムモジュール(部品)化による他のプログラムへの容易な組み込みプログラムの仕様の文書化ドキュメンテーション)を支援する機能などがある。

ユニークな特徴としては、多くの言語では人間にとってプログラムを読みやすくするために便宜的にわれるインデント字下げ)を言語仕様上の構文の一つとして採用しており、ブロックの範囲を示すのに用いられる。

言語自体の文法や語彙、記法な最小限のシンプルなものに抑えられているが、対照的に、極めて広範囲の分野に渡り豊富な機能を提供する標準ライブラリが用意されている。当初は手続き型言語オブジェクト指向言語の特徴を備えた言語として設計されたが、関数型言語の要素の多くを取り入れ、様々なスタイルプログラミングが可能なマルチパラダイム言語として知られている。

他の言語や環境との連携機能も充実しており、Pythonからアクセスできない低レベルの機能をC言語で記述して拡張モジュールとして組み入れる仕組みが提供されているほか、Javaライブラリを利用できる実行環境の「Jython」や、Microsoft .NET環境.NET Frameworkの機能を利用できる「IronPython」などの処理系もある。

標準の言語処理系(CPython)にはソースコードを読み込みながら同時に実行するインタプリタが含まれ、コンパイルビルドなど手間や時間のかかる作業を省略して記述したプログラムを即座に実行してみることができる。この処理系オープンソースソフトウェアとして公開されており、誰でも自由に入手、利用、改変、再配布などすることができる。

Pythonの最初のバージョンは1991年にオランダのグイド・ヴァン・ロッサム(Guido van Rossum)氏によって発表された。現在ではWebアプリケーションの開発用言語として人気が高いほか、データ処理や統計解析などの分野でよく利用されることで知られる。

(2017.10.22更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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