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1台のPHS基地局がカバーする範囲のこと。基地局を中心とした半径数十m〜数百mの範囲。
携帯電話網で一つの基地局のカバーする範囲のことを、生物の体を構成する細胞になぞらえて「セル」(cell)という。通常の携帯電話ではセルのカバー範囲は半径数kmに及ぶが、もともとコードレス電話を発展させたシステムであるPHSは、利用する電波の出力が小さいため、一つの基地局で数十mから数百mをカバーする。
セルの範囲が大きいと、一つの基地局や特定の周波数帯を利用するユーザの数が多くなるため、特に人口の集中する地域で通話品質の低下を招きやすい。混信を避けるため隣り合った基地局は異なる周波数帯を利用するため、周波数の利用効率も悪くなる。
マイクロセル方式の場合、1台の基地局がカバーする範囲は狭く限定されるため、一つの基地局や周波数帯を少人数で利用することになり、余裕を持って対応できる。PHSのデータ通信サービスが定額制を実現しやすいのはこのような理由による。
また、同じ面積をより狭い周波数帯域でカバーすることができ、電波を効率よく利用することができる。端末と基地局は小さい出力で交信可能なため、端末も基地局も小型化・省電力化が容易で、電磁波による医療機器などへの影響も少なくできる。病院の内線電話にPHSが利用されるのも、医療機器への影響が十分に小さいためである。
ただし、マイクロセルは同じ通話エリアを実現するために一般のセル方式よりも多くの基地局を設置する必要があるため、通話エリアの拡大にはより多くの時間とコストが必要となる。また、高速移動中などに利用すると頻繁にハンドオーバー(基地局の切り替え)が起きるため、通話品質が下がることがある。