読み方 : もどりち
戻り値【return value】返り値リターン値

関数などが処理を行った結果として、呼び出し元に報告する値である。反対に、呼び出し元から関数などに対して処理のパラメータなどとして渡す値のことは「引数」(ひきすう、argument)という。
例えば、二つの整数を受け取って加算する関数「sum(a,b)」があるとき、呼び出し元が「sum(1,2)」のように呼び出すと、引数は「1」「2」の2つの整数で、この2つを加算した 1+2 の結果である「3」が戻り値として呼び出し元に渡される。
戻り値の内容は計算結果の数値や処理結果のデータなどが代表的だが、処理が正しく終了したかどうかを表す真偽値やコード番号、メッセージなどを返す場合もある。多くの言語では「return x+y;」(変数xとyの和を返す)のようにreturn文(リターン文)と呼ばれる記法で返す値を指定する。
ほとんどのプログラミング言語では戻り値は一つしか返すことができないが、変数への参照やメモリアドレス(ポインタ)を返したり、配列などの複合的なデータ構造に値を格納して返すことで、複数のデータの組み合わせを返すことができるようになっていることが多い。C言語のvoid型関数のように、明示的に何も返さないよう指定できる言語もある。
静的型付けの言語では原則として関数などを定義する際に戻り値のデータ型もあらかじめ宣言するようになっており、呼び出し側で受け取る変数の型も揃える必要がある。言語によっては、同じ名前だが引数と戻り値のデータ型が異なる複数の関数やメソッドなどを同時に定義し、引数の型によって自動的に使い分ける機能(オーバーロード)が利用できる場合もある。
(2025.10.8更新)