ファストトラッキング 【fast tracking】

概要

ファストトラッキングとは、プロジェクトの工期を短縮する手法の一つで、工程が完了する前に次の工程を開始すること。工期の遅れを挽回するために用いられることが多い。
ファストトラッキングのイメージ画像

本来は順番に実行するはずだった各工程について、前工程の完了を待たずに次工程に着手し、一部を並行して実行する。前工程で既に作業が済んだ成果物を利用して次工程の作業をできるところまで進めるといった手法が取られる。

直接的にコストを増やさずに遅れを挽回できる手法であり、他の手法に比べ選択されやすいが、本来並行して行わない複数の工程に人員を分割して割り当てることになるため、人的負担が大きく、連携が円滑に進まないと混乱が生じることがある。

また、ファストトラッキング開始後に前工程で重大な変更や修正などが発生し、これを元に進めていた次工程の完了部分を破棄してやり直し(手戻り)を迫られるリスクもある。

(2020.3.10更新)

他の用語辞典による「ファストトラッキング」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「ファストトラッキング」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
平21秋 問51】 プロジェクトのスケジュールを短縮する方法について説明したものはどれか。

▼ 基本情報技術者試験
平30修12 問53】 工期を短縮させるために,クリティカルパス上の作業に “ファストトラッキング” 技法を適用した対策はどれか。
平27修1 問54】 ファストトラッキング技法を用いてスケジュールの短縮を行う。当初の計画は図1のとおりである。作業Eを作業E1,E2,E3に分けて,図2のように計画を変更すると,スケジュールは全体で何日短縮できるか。
平23春 問51】 ファストトラッキング技法を用いてスケジュールの短縮を行う。当初の計画は図1のとおりである。作業Eを作業E1,E2,E3に分けて,図2のように計画を変更すると,スケジュールは全体で何日短縮できるか。