トレードオフ 【trade-off】
概要
トレードオフ(trade-off)とは、矛盾、二律背反、交換(条件)、妥協点、代償、見返り、取引、歩み寄り、折り合い、などの意味を持つ英語表現。ある物事について求められる複数の条件や要素などが、同時に満たしたり高めたりすることができない関係、すなわち「あちらを立てればこちらが立たず」の関係にあること。例えば、列車の停車駅数を増やせば利便性は高まるが、比例して所要時間が伸びてゆく、といった関係のことを指す。日常的には、高品質な製品ほど高価格、収入増のため働く時間を増やすほど自由な時間が減るといった形で多く人が体感している。
ITの分野では、処理を高速化しようとすると記憶装置の占有容量が増える(時間と空間のトレードオフ)、音声や動画などのデータを不可逆圧縮すると圧縮率を高めるほど品質が低下していく、といったトレードオフがよく見られる。ビジネスにおけるコストと品質のトレードオフ(安かろう悪かろう)はシステム開発などITビジネスでも普遍的に見られる。
トレードオフは二者間の関係について言う場合が多いが、賃貸住宅の家賃・広さ・立地の関係や、情報システムの信頼性・性能・コストの関係のように、三者以上について、いずれか一つしか満たすことができない、あるいは、いずれか一つを諦めねばならない、といった形で現れる場合もある。
(2024.2.6更新)